彼氏は日本人。彼女はフランス人。

日本人とフランス人の国際カップルの記録

なぜ学生もコミュニケーション能力を重視するのか ~まとめ~


社会・コミュニケーションを考えるのが好きな人に向けて。
コミュ力をめぐる社会状況の概観を示すシリーズ2。
「なぜ学生も!?」をまとめます。

前回まで(→なぜ学生も②、①会社②友人③恋人などのつながりを得るために、学生もコミュ力を重視しているのではないかと話してきた。
そして、これらのつながりがない場合、金銭的な不安だけでなく、精神的な不安も抱えることになる。

精神疾患の増加

21世紀に入って大幅に増加している3つの精神疾患(不安障害・うつ病・統合失調症)は、これまでに確認したような地域や会社などのつながりの弱体化により精神収入源が不安定になったことや、コミュ力の格差拡大を社会背景としていると言えるかもしれない。→グラフ

<うつ病など>
ある意味でうつ病は、精神的な手持金(行動力)がないために「何もしたくない」と思ってしまう病気だ。うつ病が21世紀に入って大幅に増加したのは、安定した精神収入源を作りにくいことや、ストレスなどの精神支出が承認などの精神収入を上回りやすいことが原因といえるかもしれない。※1

<不安障害など>
不安障害などには、対人恐怖症が含まれる。他者とのコミュニケーション経験が少ない生育環境で育った人が、グローバル化・都市化が進む中で見知らぬ雑多な人間とのコミュニケーションを要求されることが、対人恐怖症につながる原因かもしれない。

<統合失調症など>
統合失調症は、幻覚・幻聴・妄想などの症状を伴う、かつて精神分裂病と呼ばれていた病気だ。これは、精神貯金の収入・支出を管理するATMが壊れた状態と考えられるかもしれない。承認という精神収入・支出は主に対人コミュニケーションによって行われるが、この一連の操作を行う装置が一部でエラーを起こした状態が統合失調症だといえるだろう。あるいは別のたとえで言えば、なにかのきっかけで意図と意図を縫い合わせるコミュニケーションの針を落としてしまった結果として、世界と自分の意図を縫い繋ぐことができなくなったのが統合失調症だと捉えられるだろう。

なぜ学生もコミュ力を必要と考えるのか・まとめ

ここまでを再度まとめると、コミュ力が必要とされるのは、①仕事②友人③恋人、これらのつながりを作ることで、経済収入と精神収入を安定させるためである。経済的不安は貧困に、精神的不安は精神疾患につながりえるからだ。 
しかし、さまざまな格差は広がっている。その深刻さは、格差を表す言葉の充実ぶりを見れば明らかだ。

このさまざまな格差の元凶として、コミュ力の格差がある。
これを表すために生まれたのが、コミュ力の低い者を指す言葉の「KY」「コミュ障」「アスペ」などである。いずれも21世紀に入ってから生まれ、または転用され、使用頻度が高くなった言葉である。KYは空気読めない奴、コミュ障はコミュニケーションが上手くできない者などを表す。(詳細は補論にて)


※1 ※新薬の開発と病気の啓発による軽症患者の受診増加が理由という説もある。
(冨永辰一郎「なぜうつ病の人が増えたのか」)

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